【警察官も違反?】自転車は「つま先タッチ」で停止線OKなのか調べてみた
SNSで、ある動画が話題になっています。パトロール中の警察官が自転車に乗ったまま、停止線で完全に止まらず「つま先をちょんとつくだけ」で通過していった、というものです。
これを見て、こう思いませんでしたか?
「あれ? ということは、自転車は停止線で止まらなくていいの?」
「つま先をつけば『止まった』ことになるってこと?」
「警察官がやっているんだから、それがルールなんじゃないの?」
実は私も以前、バイクで「停止線で止まらなかった」と警察に注意されたことがあります。そのとき警察官からは「足をついていたら良かったんですけどね」と言われました。
じゃあ結局、足をつけばセーフなの? アウトなの?
今回はこの素朴な疑問について、法律と現場の実態の両方から調べてみました。
結論:「つま先タッチ=止まったこと」ではありません
いきなり結論から言うと、足をつけば止まったことになる、というルールはどこにもありません。
法律上も、警察の取り締まりの現場でも、判定の基準はこうなっています。
「タイヤ(車輪)が完全に止まったかどうか」
足がついたかどうかは、実は関係ないんです。
なぜそうなのか?
① 法律の条文を見てみよう
道路交通法という法律の43条に、一時停止のルールが書かれています。ざっくり言うとこうです。
- 自転車もバイクも自動車も、「車両」という仲間
- 「止まれ」の標識がある場所では、停止線の直前で一時停止しなきゃダメ
- 「一時停止」とは、車輪が完全に止まること
- 速度を落としただけでは「止まった」ことにならない
つまり、スピードを落としてゆっくり通過しただけだと、法律上はアウトなんですね。
② 元警察官の人が教えてくれた「本当のルール」
バイク雑誌の記事で、元警察官の方がこんなことを解説していました。
「足が地面についたかどうか」は、違反を見極めるポイントになりません。完全に一時停止していなければ、取り締まりの対象になります。
逆に面白いのは、「両足とも地面についていなくても、ちゃんと止まっていれば違反にはならない」ということ。
バイクってマニュアル車だと、右足はブレーキペダルを踏むために使います。だから両足を地面につけたら、ブレーキが踏めなくなっちゃうんですね。だから「足をつく=止まった」という判定基準は、そもそも成り立たないんです。
じゃあなぜ警察官は「足をついて」と言うの?
ここがポイントです。
「足をつく」というのは、止まったことを周りに分かりやすくアピールする動作なんです。
想像してみてください。遠くから見ている警察官の立場になると、自転車やバイクが「ほんの一瞬止まった」のか「ゆっくり通過した」のかって、実はめちゃくちゃ見分けにくいんです。
だから、
足をつかずにスーッと通過 → 「止まってないでしょ?」と見える
足をちゃんとつく → 「あ、止まったんだな」とハッキリ分かる
という違いが出ます。
元警察官の方も、こう書いていました。
「取り締まりをしている警察官に向かって確実に『止まった』とアピールするには、片足だけでも接地したほうが賢明です」
つまり、足をつくのは「止まった証拠」を見せるためなんですね。「足をつけば止まったことになる」のではなく、「ちゃんと止まって、さらに足もついておくと、誤解されにくい」ということです。
話題の警察官動画はどうなの?
さて、冒頭の「つま先タッチで通過した警察官」の動画について。
動画だけでは、本当に車輪が止まっていたのか、それともスーッと通過していたのか、見分けるのは難しいです。もしかしたら一瞬だけ止まっていたのかもしれないし、もしかしたら本当に不停止だったのかもしれません。
でも大事なのは、もし警察官自身がルールを守っていなかったとしても、それは「ルールが変わった」という意味にはならないということ。
学校の先生が給食のおかずをこっそり大盛りにしていても、「先生がやってるから大盛りOK」にはならないのと同じですね。
私(バイクの話)のケースはどうだったの?
「足をついていたら良かったんですけどね」と警察官に言われた件。
これは厳密には、正確じゃない説明だったと言えます。正しくは「ちゃんと完全に止まっていたら良かった」ということ。
ただ、現場の警察官もそう言いたくなる気持ちは分かります。だって、足をつかずに通過するバイクは、ほぼ間違いなく止まってないんですよ。足をついていれば、止まっていた可能性が高い。だから「足をつく=ほぼイコール完全停止」という近似の話をしていた、ということなんでしょうね。
まとめ
今回のポイントを整理すると:
- ルールは「車輪が完全に止まること」。足をついたかどうかではない
- 足をつくのは「止まった証拠」を分かりやすくするための動作
- つま先タッチだけで通過するのは、厳密にはアウト
- 警察官がやっていたとしても、それがルールになるわけではない
「あの警察官がやってたから自分もセーフ」と思って真似するのは、ちょっと危険かもしれません。安全のためにも、ちゃんと止まる習慣をつけたいですね。
あとがき
この話を調べていて面白かったのは、「足をつく=止まったこと」というみんなが何となく信じている"俗説"が、実は警察の公式な基準ではなかったということです。
たぶん、警察官も市民も、お互いに「足つき」という分かりやすいサインを使ってコミュニケーションしているうちに、なんとなく「足つき=停止」というルールっぽいものが出来上がってしまったんでしょうね。
こういう「みんなが信じているけど、よく調べると実は違う」というテーマは、他にも交通ルールの世界にたくさんあります。次の記事では、もっとビックリするような「法律と現実のズレ」について書いてみたいと思います。
それではまた!